鳳凰記

つまる日常はおもしろい

まわる

 

そこには裸足以外認められてない空間が広がり、夕方にはまた会えるのに基地外みたいに泣くあの子。女の子だった私でもパンツ一枚で入れるプールがある。絶対に対象年齢を間違えてる節分がある。1階から2階まで行くのに階段、滑り台、竹のぼりの3種類がある。お昼寝の時間に少し早く起きてしまった子、あまり寝付けない子をこっそり連れ出して馬鹿でかいせんべいを食べさせてくれる先生がいる。昼寝の時間に大人しく寝てた‘いい子’。素直に生きていても報われない世界があるのだと知った。卒園の時に堂々とサッカー選手になりたいと嘘をついたあの場所は、

 

 

命張って生きていたあの場所は、

 

 

もうここにはない。

 

 

 

わかっている。時が経てば全て変わる。

 

 

人も、街も、保育園も。

 

 

建造物には魅力がある。

 

 

 

どんな建物にも、数知れぬ思い出がある。それは目に見えない。だけれどもそれこそが大切なものである。ないと分かっていながらも、立ち止まりたくなる。過去はもう存在しないものである。わかっている。いや、分かっていないけれども分かっていると言わざるを得ない。ただ、わたくしは存在しないものから形成された存在するものである。

 

 

そして私という人格が形成された。

 

 

ふと思う。

 

「良い教育」とは何か

 

わたくしはまるでダメな人間だ。ご飯は作れないし自転車は怖くて乗れない。それならまだ良いものの人間性にも問題がある。人の不幸話が好きである。ゴールデンタイムで映る御涙頂戴ドラマを見てまんまと泣いてしまう、欲望のままご飯に食らいつき、我も強い。媚びるし妬みもする。非常に厄介である。書き出してみただけでもこんな人間とは友達になりたくないものだ。

 

 

 

 

 

だけれども、

私が滑り、悩み、歩いてきたこの人生を

 

 

 

私は誰かに譲ろうとは思わない。

 

 

 

 

 

私が生きてきた人生が、

私の中で譲りたくないものである。

そう思えるのなら

その気持ちを与えた環境こそ、

「良い教育」と言えるのではないだろうか。

 

 

泥団子をツルツルにする方法を教えてくれたあの場所がなくとも

 

 

また、誰かの、心に生きる、大切な場所になってくれるのです。

 

 

 

さあ、次はあなたが

 

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時を繋げる番ですよ。